定義は構造の外側に断熱材を貼り付けることを外張断熱(外)といいます。
それと構造材の間に断熱材を入れる方法を充填断熱(内)といいます。
外断熱が話題になっているのはマンションや公団アパート(内断熱)などで結露が起きて、それが原因でダニやカビが発生してアトピーになったりする健康問題が多く社会問題になっているためです。
マンションや公団アパートようなRC造では熱伝導率が大きいため熱橋(ヒートブリッジ)が起きた部分で結露が発生してしまいます。
内断熱では結露を止めることはできませんので外断熱で行うべきです。
充填断熱(内)は構造の間に断熱材を充填させて断熱を行いますので壁の中で結露を発生させないように断熱と防湿に対して高い技術が必要になりますが、正しい施工を行なえば結露の心配はありません。
一般の木造住宅でも外張断熱(外)がありますが、次のような問題があります。
①製造段階での二酸化ガスの発生
まず外張りに使う断熱材が石油を原料にした点です。石油を発泡させ断熱材を製造する段階で大量の二酸化ガス(CO2=地球温暖化)を発生させるので環境負担をかける。(代替フロンを使っていると言っいるが、その代替フロンも環境に負担をかけている物質でいま規制されていないだけ。)
②化学物質の室内汚染
構造材の外側で断熱を行うので構造材や床下を室内環境と空間を共用することになります。土台や柱など地面 から1mまでの木部は全て白蟻駆除剤を塗布し床下の土壌も薬剤処理されます。(薬剤は10年間も効果 が持続する毒性が強い農薬系の物が使われます)
気密は外張した断熱材の外側施工になりますので、構造材に塗られた白蟻駆除剤や土壌にまかれた土壌処理剤や発砲させた断熱材に含まれている有毒ガスが全て室内環境側になります。
気密された室内空間に化学物質が放出されます。その中で(ガス室のような状態)生活していたら健康を害します。また、建物を石油発砲断熱材で包んでいますので、万が一火災が起きたら一気に有毒ガスが出て燃え出してしまい非常に危険です。
③長期の耐久性に疑問
構造の外側に断熱材があるので構造材は厳しい外気(温度、湿度)にさらされることがないため長持ちすると説明されていますが、木材は生きていますので湿度の高いときは湿気を吸収しまた低いときは吐き出して調整を行っています。暑さや寒さ・湿度は木材にとっては構造的な影響(ダメージ)を及ぼすものではありません。
外張り断熱の場合、構造材の外側に断熱材を張るので直接外壁材を構造材に取り付けすることができませんので、(浮かした状態で取り付けるため)大きな地震で外壁が剥がれ落ちたり、長期間には外壁材が下がってしまう恐れがあります。
また、発泡断熱材は経年変化が激しく外壁材の裏側や小屋裏の高温(70℃)に曝される為、当社の経験では●50ミリ発泡断熱材が1-2年で2-3ミリ痩せてしまいます。●工事期間中に外に出して置きますと表面 がザラザラになり擦ると粉になって飛んでしまいます。 ●油性の塗料が付着すると溶けてします。)長期間(30-50年)の耐久性に不安があります。
断熱先進国(北欧、北米)を見ても一般住宅の断熱材に石油化石燃料を主材料にした発泡断熱材を使っている国は多くありません。主流はグラスウールです。
また、日本の高断熱・高気密の先進地の北海道でも断熱材は圧倒的にグラスウールです。
以上の観点から当社ではグラスウールによる充填断熱を主に施工しておりますが、外張断熱を希望される場合は、少しコストは上がりますが土台や1階柱を白蟻駆除剤の塗布が不要な木材(ヒノキ・ヒバ等)を使用し、グラスウールによる外張断熱をお勧めしております。