当社は「ひとり工務店」です。
一人でやってる工務店という意味です。
先日、10年ぶりに税務調査が入りましたが、国税調査官も当社の仕事の内容がよく解らなかったようです。
本当にひとりですか?って何度も聞き返されました(笑)
他にあまり例がないということのようですね。
仕事の内容としては、工務店のやってる業務一式なのですが
それらを全部私が一人でやっているとはとても思えなかったようで
他に丸投げしている下請けの建築会社があるのだと思っていたとのこと・・・
はいっ?何言ってるの?全部私が一人でやってるんですよ!と自信満々に答えました。
調査官いわく大手工務店にはそれぞれ部署があって成り立ってる訳だから
一人でやるのは大変でしょう。とのこと・・・
確かに今のスタイルを確立するまでには多少の苦労はありましたが
流れさえ掴んでしまえばそんなに難しいものではありません。
簡単に私がやってる仕事内容を説明しますと
1.まずは集客です。これはどんな商売でも一番大変なところだと思います。
当社は媒体に宣伝広告は一切しておりません。もちろん一人工務店なので営業社員も居ません。
当社の新規の集客は全てホームページからの問い合わせからになります。https://www.a-one-deve.com/
当社は2001年にホームページを公開しました。今年で10年になります。
最初は知人に作ってもらった全10ページ位の会社案内程度の簡単なものでした。
ですが私は1から10まで全て自分で仕組みを理解しないと気が済まない性格なので
独学でHTMLを覚え、CGIも弄るようになり、終いにはLinuxサーバーも自分で立ち上げました。
お陰でいろんな裏技を使えます(内緒)とにかく人手を掛けずに自動で集客するのが一番です。
SEO対策はもちろんやってますので当社のHPも「原価公開」や「福岡 注文住宅」というキーワードで上位表示されますが
これはHPの全ページ数が500ページを超えるボリュームによるものだと思われます。
CGIを利用して1日に1ページ増え続けるWEBカメラの履歴ページも含めると2000ページ以上(日々自動で増え続けてます)あると思います。
それらから全てindex.htmlへ貼られたリンクが効いているのでしょう。
お陰でコンスタントに問い合わせがあります。
この問い合わせも電話だと応対が大変なので、初めての問い合わせはEメールで来るようにしています。
2.Eメールで来たお問い合わせに的確な回答を送ります。
土地から探している方が比較的多いので、土地の探し方なんかもアドバイスしてあげます。
もちろん資金繰りのアドバイスも行います。(←これが最も重要)
まずは土地ありきなのです。なので土地探しにはじっくりとお付き合いさせていただきます。
そして気に入った土地が見付かったらそこからスタートです。
3.土地が見付かったら、その土地にどんな建物を建てるのかプランします。
もちろんこれも全て私の仕事です。この作業が一番楽しいかも(笑)
ここで活躍するのが3Dマイホームデザイナーというソフトです。
http://www.megasoft.co.jp/3dmyhomepro7/
現在バージョン7が最新ですが初代の頃からずっと使っています。もう10年以上になりますね。
このソフトの良いところは間取りと外観を並行して確認しながら建物を作れます。
プラン作成に関する打ち合わせもWEB上でお客さまの専用ページを作って画像を共有しながらEメール等で行います。
https://www.a-one-deve.com/web_presentation/ono_house_2010/01.html
そもそも最初の問い合わせがEメールですのでお客さまはある程度PCに精通した方だということですね。
如いて言えば当社のHPを検索で見つけた時点でPCに精通しています。
なのでEメールのやりとりは案外スムーズです。
4.ある程度、間取りや仕様のプランが決まったら見積もり作業に入ります。
この見積もりもこれまで蓄積してきたデータを元に簡単にでます。データにない建材だけ見積もりを取り寄せて
フォーマットに当てはめて項目ごとにその建物の部材の量や長さ、面積を入れていけば積算できます。
5.見積もりをお客さまへ提示、と同時に住宅ローンの仮申し込みです。
住宅ローンの仮申し込みもこちらでフォローします。
ローンが目論見どおりOKになればいいのですが、減額されたりすることもあるので
この時点で先に資金繰りの方を確定させます。先立つものは○○ですね^^
6.資金繰りの内容に従って建物の仕様の修正をして金額を調整します。
原価公開なのでこの作業も左程難しいものではありません。
7.請負契約締結。住宅ローンの正式申し込み。図面の作成、建築確認申請を出します。
ここから費用が発生します。
契約時に10%、着工時30%、上棟時40%、残金20%を基本に契約します。
つまり建物の20%程度の自己資金が必要だということになります。
大体銀行の査定も総額の8割ですね。2割の自己資金は必要だということです。
8.融資承認が出たら土地の決済をします。
土地は住宅ローンのつなぎ融資で先に名義変更してもらいます。
住宅ローンが実行されるのはもちろん建物が完成した後なのですが
土地代を売主に払って、自分の名義にしてからでないと建築できないのは当然ですね。
なのでどこの銀行も土地については先につなぎ融資をしてくれます。
ここで一つアドバイス。理由は割愛しますが抵当権の設定留保をしてくれる銀行が諸経費が安く上がります。
これらの手続きや決済の立会いも行います。
9.地鎮祭、工事着工
地鎮祭は施主と工事関係者が参列しますが、すみません。ひとり工務店なんで私だけです。
そして工事着工。ここからは現場での仕事になります。
分離発注で基礎業者、大工、左官、電気業者、設備業者を手配します。
大体いつもお願いしている業者は決まっているのですが、たまには違う業者さんを使う場合もあります。
馴れ合いではNGだと思うからです。常に緊張感を持って仕事してもらわないと・・・
基本、材工分離発注です。
材料もこちらで必要な量を手配して現場に納入します。
10.現場レポート
日々の現場の進捗をWEBで公開しています。なのでほぼ毎日現場に出向きます。
材料を現場に入れるタイミングを見計たり、詳細部分の収まり等を現場で確認しながら職人に指示を出します。
そして現場の工程に合わせて要点を写真撮影。その日の内にWEB上に画像とコメントをUPします。
https://www.a-one-deve.com/genbareport/ono_house/01.html
この現場レポートはお施主様だけが見ている訳ではなく、不特定多数の方々がご覧になっています。
将来の見込み客なんかもこの日々の動きを見て当社にお願いしようと思われるきっかけにもなっているように思います。
11.中間検査・完了検査
もちろん建物は要所要所で公的な検査を受けて完成します。
瑕疵担保履行法に基づく保険の付保も義務付けられていますのでこれも当社で手続きしています。
工事期間中に起こるかも知れない万一の事故や火災への備えも元請として万全を期してます。
12.引渡し・アフターサービス
工事が完了して物件のお引渡しです。
住宅ローンを利用している場合は融資の実行手続き(金消契約)を行います。これの立会いもこちらで行います。
とにかく家を建てることなんて一生涯で何度もあることではないので
慣れないお客様は不安でいっぱいのハズ。それらを解消するのに実印を押す手続きには全て私が横についてあげています。
入居に当たってカーテンや照明器具、エアコン等もこちらで手配できます。
工事完了後のアフターサービスの窓口ももちろん当社になります。
家は完成してからが本当のお付き合いのはじまりです。
完成した建物はHPの施工事例に追加
https://www.a-one-deve.com/sekoujirei/jirei23.html
お陰様で創業15年を迎え、OB客からのご紹介も数件ありましたし
古くなった外壁の再塗装やリフォームの依頼も多数頂戴しています。
リピートって有り難いですね。
以上、ひとり工務店の仕事ってこんな感じです。
これを自宅の一室の半分のスペースでやっています。
たぶん日本で一番小さな(スペース的にです)工務店だと思います。
つまり事務所の家賃が要らない。
集客は自分でHPでやっている。(サーバーも自前)
今ある技術を生かして一番スマートな方法を実践しています。
電話は全て携帯に転送。もちろん光電話で固定電話は番号だけ。(機器は繋がってません)
OA機器はA3までコピーできるFAX複合機が1台あれば十分。
PCはサーバー含めて5台あります。(2台は子供専用になってますが・・・)全部自作機です。
データのバックアップはマメに行います。ハードディスクをリムーバブルで簡単に差し替え可能。世代別に管理しています。
とにかくPCで図面や見積もり、帳簿まで全て行いますので、データの管理だけは気をつけてます。
先日の税務調査で教えてもらったのですが交際費が少ないらしい・・・
確かに接待とか自社が元請の仕事しかしないので接待する相手がいないですし、逆にされるのも嫌いです。
利益率は小さい(お客さまにとってはいいこと)のですが経費も少ないので成り立っている訳ですね。
これでも年間のキャパでみればまだ50%程度です。今の倍の仕事量でも十分一人でこなせそうです。
HPへのアクセスを今の倍に増やせば単純計算で倍になる?のかな?
この辺のマーケティングには少し疎いです。ガンバロっと
福岡の注文住宅・新築一戸建ては
ひとり工務店の仕事
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